幻燈ショー ~苦いだけの恋じゃない~

「ねえカンナ、今日って何するの?」


学校までの道すがら、まずは本日の予定を確認する。


「芙由は衣装担当だよ。ウチと一緒!」

「ん? 生地の発注もまだだよね?」

「だから生地決めから手伝って貰いたいの! あとね、パターン?ってのが用意されてるから、実際の生地が届くまでの間に色々と練習するってさ」


カンナの話を要約するに、私は最初から最後まで手伝う、ということらしい。


「段取りとかは昨日決めといたから、カンペキ!」


親指を立てて、カンナがニカッと笑う。これだけで、まあいいか、と思えてしまうから不思議だ。



教室へ入ると、真っ先に目についたのは、黒板に書かれた役割分担表だった。


私達のクラスは協議と抽選の結果、和風カフェを行うことになった。

飲食系は当日が大変だとウワサで聞いたが、衣装に装飾にメニュー考案にと、準備段階でも結構な人手が必要らしい。役割り表を見た限りでは、の話だが。


快適な空調のおかげで火照りが引いていくのを感じつつ、教室内を見回す。半数ほど集まっているクラスメイトの中には、裏ボス達の姿もあった。


あの3人組が手伝いに参加するなんて意外……でもないか。陽平や要と会える機会を逃すはずがない。


だが、裏ボス達の思惑は外れたようで、残念ながら彼らの姿は見当たらなかった。


「ねえカンナ、陽平と要は部活?」

「うん! 昨日、ゴメンねってメッセージ貰ったよ。時間が空いたら顔出すって」

「そっか」


各々のロッカーにバッグを突っ込むと、教室の後方に集まっていた衣装班へ加わる。裏ボス達はメニュー班のようだが、これはカンナの配慮だろうか。


「ねぇねぇ、芙由ちゃんは誰かと回るの?」