桐生さんのお世話係?

お店に入ってはいいものの。

とてもっ

とても高級店で!!

あたしなんかが入っていい場所では……

気後れしてしまって、入ってすぐのところで立ち止まってしまう。


「??」

「どうした?」

「あの……やっぱりあたしは場違いみたいなので」


作法とかもわからないし。

桐生さん達に恥をかかせてしまう。


「うだうだ言ってないでさっさと来い」

「うっ」

「いらっしゃいませ」


桐生さんに言われるも足がね……動いてくれない。

すると板前さん?が柔らかく微笑んで迎えてくれた。

板前さんと言っても若い。

桐生さんと同い年くらい?

優しい笑顔にガチガチだった体の力が抜ける。


「初めてじゃないですか?桐生さんが女の子を連れてくるなんて」

「あー、コイツは“商品”だ」

「……」


ダルそうに言われた言葉。

それに板前さんがほんの少しだけ顔を顰めた。

知っているんだ、この人は。

桐生さんの仕事を。


「あっ、あのっ私っ」

「「「???」」」


桐生さんは何一つ悪くないので。

私は笑って一歩前に出て


「こんな立派なお店初めて来ました!今日はよろしくお願いします!」


腹をくくる。

すると


「……こちらこそ、よろしくお願いします。桐生さんの奢りでしょうから、この店で一番活きの良いものを握りましょう」


わかってくれたのか、深く追求されることはなく笑顔で頷いてくれた。


「何でもいい。すぐ握ってくれ。怪獣が鳴いてうるさいからよ」

「!?」

「……怪獣?」

「あっはっははははは、何を言ってるんでしょうねー」


私は桐生さんを睨む。

怪獣とは……間違いなく私のお腹の音のことだ。


う”う”ーーっっ。


「ガッハッハッハッハッ!!確かにっ。ココに来るまでの間ずっと鳴ってたな、お前さんのお腹」

「!?」


丹波さんーー!?

上手?に誤魔化したのに何故バラすーー!?

ギョッ!?とした私の顔を見て、顔を逸らした桐生さんは……

肩を震わせ笑っていた。