桐生さんのお世話係?

珊瑚が私に手を伸ばし笑う。




「珊瑚ー」




この子が居てくれて本当に良かった。



何があろうと、私はこの子の為に生きるーー。




「なっ……なんだよっ!?」




男の狼狽えた声が聞こえてくる。



目の前に立つ桐生さんが怖いのか、少し声が震えてる。




桐生さんの表情は見えない。




「自分じゃあ何も出来ない、プライドだけはエベレスト級に高いクソガキが」




けれど放たれた言葉は辛辣だった。




「なっ!?」



「きゃぁあっ!!」



「さ……珊瑚?」




張り詰めた場の中、珊瑚が桐生さんに同意をするように声を上げて楽しそうに笑う。



こ……この子は大物になるかもしれない。



って、それよりもエベレスト級て。



とてつもなく高いな。



そんな感じは……うん、するけど。




そう思ってしまうと……可笑しくて。



珊瑚を抱きしめ、声を出さずに笑う。




「ガッハッハっ!!オメェら、なかなか肝が据わってんな!!」



「!?」




突然、丹波さんが豪快に笑い出す。



さ……山賊のような笑い方なんだが?




私と珊瑚が目をまん丸くして丹波さんを見ていると




「そんなに見下していた相手に振られたのが許せねぇか」




「っっ」




見下す……。




そうか、私は見下されていたのか。



父親が誰かもわからない子供。



母親から育児放棄をされている子供。



己よりも遥かに可哀想な子供ーーと。




「違っ」



「違う?何が。プライドを傷つけられて、腹が立って今、コイツを攻撃してるだろうが」



「っっ」