1学期が始まり特別授業を選ぶ時期になった。
私はもちろん片瀬先生の教室にした。
鈴音もまた一緒なので楽しみだなぁ。
次々と片瀬先生の教室を選んだ生徒が生物室に集まってきた。
そこで私はあの女の子がいるのに気がついた。
いつも一緒にいる友達もいた。


「あの女の子いるね。」


鈴音が私に小声で言ってきた。


「本当だ、いるね。やっぱりそうなのかな?3学期頃から一人でも生物準備室に行くようになってたんだよね。積極的になってきたの。」


「そうだったんだ。先生も何か一言言えばいいのに。でもなかなか諦めなさそうな感じの子だよね。」


「先生もクラスの生徒だったから言えなかったんだと思うよ。それに悪いことしてるわけじゃないから。」


「雪乃はお人好しすぎだよ。私だったら、「来ないように言って」って言っちゃいそうだもん。だってやっぱり不安になるじゃない。」


鈴音が言った通りやっぱり不安だ。
先生はあの子の気持ち気づいてないと思うし。
そんなことを話していたら先生が入ってきて授業が始まった。