私と先生の秘密の時間

「何だかこんな風に話すのは久しぶりですね。前に来た時様子がおかしかったので気になっていたんです。どうしましたか?」


いつもの優しい声だ。
私はこの前のことをまずは謝った。


「前に来た時に不機嫌な態度をとってしまってごめんなさい。女の子達との距離が近くて私が勝手にモヤモヤして、先生は悪くないのに八つ当たりしちゃって。」


私は素直に気持ちを話した。
先生は、「そうだったんですか。私こそ嫌な気持ちにさせてしまってすみません。」と申し訳ないといった表情をしていた。
それから、よく来ている女の子達は受け持ちのクラスの子だと話してくれた。
やっぱりそうだったんだ。
最近よく話しかけてきて生物準備室に来るようになったらしい。
ただ話しに来てるだけなのでどうしたらいいのか先生も考えてるみたい。
私はさっき部屋から出ていく時に一人何か言いたそうにしていた女の子のことが気になった。
自分が先生に片想いしていた時を思い出して何となく同じかな?って感じた。
でもはっきりしないことを先生には言えない。


「椎名さんどうしました?何か心配ですか?」


先生は私の表情が暗かったから気にして聞いてくれた。
本当はあの子のことが気になって心配だけど、「大丈夫です。」と強がってしまった。
私は鈴音に言われたことを思い出した。
「もう少し欲張りになってもいい。」と。


「先生、ギュッとしてもらえませんか?」


私は思い切って言ってみた。
先生は優しく包み込むように抱きしめてくれた。


「心配をかけてすみません。雪乃、あなたは何も不安にならなくて大丈夫ですよ。」


今、先生が私のこと「雪乃」って名前で呼んだ。
びっくりして腕の中から顔を上げて先生の顔を見た。


「2人だけの時は名前で呼んでもいいですか?」


「はい!嬉しい。」


たったそれだけのことで私は不安な気持ちが消えていった。