私と先生の秘密の時間

何も考えずに生物準備室に駆け込んでしまったが、そこにいたのは片瀬先生だけだった。
先生は私の方に歩いてきて「どうしました?」といつものように丁寧な口調で聞いてきた。


「きちんと好きだと告白して終わりにしてきました」


今の私は泣いててひどい顔だろう。
先生は前の時と同じに私の頭を撫でて「頑張りましたね。」と言ってくれた。
私は涙が止まらなかった。
椅子に座らせてくれて何も言わずにそっとしておいてくれた。

しばらくして泣き止んだ私の前に温かいココアを置いてくれた。
私はココアを飲んで落ち着いた。
先生がココアは落ち着くと言っていたけれど、本当に温かいココアは心も温かくなるんだなぁ。


「友達も椎名さんのことを心配してると思いますよ。」


鈴音に先輩に告白してくることは言ったからきっと心配してるだろう。
話しに行かないと。


「先生、ありがとうございました。前に進めそうです。友達の所に行ってきます。」


そう言って私は生物準備室から出ていった。