私と先生の秘密の時間

何日かしてまたわからない所があったので質問に行った。
今日は一人で行ったけど、生物準備室は片瀬先生だけだったから安心した。


「すみません。ここの関係がわからないんですけど、どういうことですか?」

「ここは、このホルモンがこっちに作用してこの臓器からこのホルモンが出てきます。そうすると………。」


いつものように、丁寧に説明してくれた。


「椎名さんはいつもよく勉強してますよね。質問にもよく来ますし、教えがいがあります。」


みんなあまり質問とか行かないのかな?
もしかして私って生物理解しなさすぎ?
何だか心配になってきた。


「私はあまり要領よくないので、人より時間がかかるし、進めるのが遅いんです。だからわからなかったら聞きに行くのが一番いいので。それに先生の説明はわかりやすです。」


私が答えると片瀬先生は、それはよかったというように笑っていた。
先生が笑っているの初めて見た。
何だか先生の新しい顔を知ったような気がし、ちょっとドキッとしてしまった。
いつもの授業でも今みたいに笑えばいいのに。
そしたらもっと先生の評判よくなるのになあと思った。


「またいつでも来てください。」


先生のこの言葉が意味合いはちがったけれど、私を助けてくれることになるとはこの時思ってもいなかった。