東雲くんは【平凡】がわからない!

机をくっつけてお弁当を広げる。
メンバーは全員で6人。昨日一緒に帰ったみんなと、光井さん。

みんな席につくやいなやお昼ご飯もそこそこにおしゃべりを始める。

「でさ、この前カラオケ行ったじゃん?そのときね…」
「きゃー、マジで!?やっばいじゃん!」
「でもさでもさ、ケイちゃんなんかさ…」
「無理無理!キッモ!!」

やっぱり内容はわからなくてついていけないので、お弁当をつつきながら特に口を挟まず相槌を打つ。
まあ、まだまだこれから。変なこと話して場を白けさせるよりは良い。そのうちしゃべれるように頑張ろう。
見ると、光井さんもあまり会話には加わっていない。笑顔を浮かべ、うなずいて聞いているだけ……という感じだ。

昨日も思ったけど…光井さんって柳さんたちと何か雰囲気違うんだよな。
友達グループだけど上手く馴染めてないとか…?

いやいやいや!なにを下品な詮索を。
別におしゃべりしなくても友達なんてよくあるじゃない。やめよやめよ。


「あ、そーいえばさ?若葉さん、社会のとき怒られてなかった?」

「あ、うん。ちょっとだけ…」

「社会の石田、うっざいよね。アイツ授業わかりにくいしイヤなんだよ。しょっちゅうああやって怒鳴ってんの。知らね〜って感じ」

「ははは…」

確かにああも怒鳴らなくていいでしょうとは思うが、おしゃべりしていたのは事実なので難しい。