『大した用事じゃないんだけどね、
先生にプレゼントがあったから
寄ったのよ。』
えっ?
プレゼント?
鞄から一つの封筒を取り出して私に
差し出す高城さんがニコリと微笑むと
受け取ろうと差し出す前に、後ろから
伸びてきた長い指がそれを奪った
『瀬木先生、いらしたんですか?』
『‥いらしたんですか?ってここは
俺の家だろ?勝手に上がって何を
してるんだよ。』
『やぁだ、勝手だなんて。
私達の仲じゃないですか。
ちょっとしたプレゼントですよ。』
相変わらず出版関係の人たちに態度が
悪い隼人君が、封筒を見た後、盛大に
ため息をこぼし私の隣に座った
「珈琲飲む?」
『ん、ありがとう。』
隼人君の分も珈琲を淹れてから
私ももう一度席に座ると、封筒を
開けて中の紙を読んでいたところを
覗き込んだ
‥‥‥招待状?
『先生来てくださいますよね?』
『行かないし行きたくない。』
えっ!?
テーブルの上にポイっとそれを
投げ捨てるのを見て慌ててそれを
綺麗にまとめ私も目を通した
‥‥出版社主催のセミナー?
次世代を担う作家を目指す若者へ?
「隼人君すごいよ!!
どうして行きたくないの?」
『どうしてもこうしても‥顔出し
したくないし、今の時代スマホで
盗撮されて勝手にSNSにあげられ
たら、この生活が出来なくなる。
顔が知られてないからこそ、この
静かな生活が出来てるんだよ。』
確かにそれは分かってる‥‥
弥生ちゃんの事もあったけど、
隼人くんはとてもカッコいいから、
顔が知られてしまったら、過激な
ファンが増えるのは目に見えている。
『俺は、自分の作品を日和に
読んでもらえたから正直引退
してもいいとも思ってる。』
『先生!!い、引退って
冗談ですよね!?』
隼人君‥‥‥
ものすごく青ざめて
動揺している高城さんをよそに、
冷静に珈琲を口に含むところを見つめて
いると、手の甲で頬を撫でられた
『とにかく顔を出すのはNG。
それ以外の仕事ならするから
断っておいてくれ。』
しょんぼりする高城さんを見送り、
ソファで横になる隼人君の横に座り
頭を何度も撫でてみた
『気持ちい‥‥もっと撫でて‥』
瞳を閉じると長い睫毛が強調され
綺麗な顔がより際立っていく。
アシスタントだから口は出せないけど、
隼人君が決めたことはなるべく
尊重はしてあげたい。
先生にプレゼントがあったから
寄ったのよ。』
えっ?
プレゼント?
鞄から一つの封筒を取り出して私に
差し出す高城さんがニコリと微笑むと
受け取ろうと差し出す前に、後ろから
伸びてきた長い指がそれを奪った
『瀬木先生、いらしたんですか?』
『‥いらしたんですか?ってここは
俺の家だろ?勝手に上がって何を
してるんだよ。』
『やぁだ、勝手だなんて。
私達の仲じゃないですか。
ちょっとしたプレゼントですよ。』
相変わらず出版関係の人たちに態度が
悪い隼人君が、封筒を見た後、盛大に
ため息をこぼし私の隣に座った
「珈琲飲む?」
『ん、ありがとう。』
隼人君の分も珈琲を淹れてから
私ももう一度席に座ると、封筒を
開けて中の紙を読んでいたところを
覗き込んだ
‥‥‥招待状?
『先生来てくださいますよね?』
『行かないし行きたくない。』
えっ!?
テーブルの上にポイっとそれを
投げ捨てるのを見て慌ててそれを
綺麗にまとめ私も目を通した
‥‥出版社主催のセミナー?
次世代を担う作家を目指す若者へ?
「隼人君すごいよ!!
どうして行きたくないの?」
『どうしてもこうしても‥顔出し
したくないし、今の時代スマホで
盗撮されて勝手にSNSにあげられ
たら、この生活が出来なくなる。
顔が知られてないからこそ、この
静かな生活が出来てるんだよ。』
確かにそれは分かってる‥‥
弥生ちゃんの事もあったけど、
隼人くんはとてもカッコいいから、
顔が知られてしまったら、過激な
ファンが増えるのは目に見えている。
『俺は、自分の作品を日和に
読んでもらえたから正直引退
してもいいとも思ってる。』
『先生!!い、引退って
冗談ですよね!?』
隼人君‥‥‥
ものすごく青ざめて
動揺している高城さんをよそに、
冷静に珈琲を口に含むところを見つめて
いると、手の甲で頬を撫でられた
『とにかく顔を出すのはNG。
それ以外の仕事ならするから
断っておいてくれ。』
しょんぼりする高城さんを見送り、
ソファで横になる隼人君の横に座り
頭を何度も撫でてみた
『気持ちい‥‥もっと撫でて‥』
瞳を閉じると長い睫毛が強調され
綺麗な顔がより際立っていく。
アシスタントだから口は出せないけど、
隼人君が決めたことはなるべく
尊重はしてあげたい。



