モゾモゾと腕の中から綺麗な顔を出す
ヒカリが真っ直ぐ見つめてくるので、
オデコに唇を落とした
『意味分かってる?』
「俺を何歳だと思ってんだよ‥‥‥。
文芸の大学助教授だぞ。」
『‥‥‥‥なんでそうしたいの?』
「‥‥そうだな‥‥‥なんでか‥‥
もうお前が帰ってくる場所を
ここにしたいからかもな。
それじゃ不満か?」
『不満、大不満!』
「ククッ‥‥だろうな‥‥。
まぁ‥‥‥お前に言う最初で最後の
我儘みたいなもんだからな。
ロマンチストじゃなくて悪いな‥」
元々口下手でそれに加えて口も悪い
指輪の一つでも買って高級レストランで
プロポーズするのがいいのは分かって
るけど、柄じゃないしな‥‥
『‥‥‥いいよ。』
えっ?
『あたしの不味いカレーを
歳とっても食べてくれるならね。』
「‥‥‥食うから他の誰にも食べさせ
るんじゃねぇぞ?‥‥フッ‥‥
ハハッ‥‥俺‥‥お前しか無理だわ」
『‥‥知ってる‥‥‥んっ‥ん』
寝るつもりだったのに、また抱きたく
なったヒカリの服の裾から手を滑り
こませながら深いキスを落とす
世の中が知ってるコイツのピアニスト
としての顔を俺は知らないけど、
この顔を知ってるのは俺だけでいい‥‥
この先もずっと‥‥‥
『櫂ッ‥‥‥』
「なんだよ‥‥フッ‥‥泣いてんの?」
目尻から流れる涙に舌を這わせると、
不器用過ぎるお互いに笑いが込みあがる
今までで1番優しく丁寧にヒカリを
朝まで抱いたあと、カレーの匂いに
目が覚め、幸せにまた笑みが溢れた
朝からカレーかよ‥‥。
タンクトップ姿でいつもいるのに、
俺の服を着たままで台所に立つ
金髪な彼女を壁にもたれたまま
見つめる
そんな日々でいい‥‥‥。
『おはよう‥‥櫂。』
「フッ‥おはよう‥‥俺、大盛りな?」
END
ヒカリが真っ直ぐ見つめてくるので、
オデコに唇を落とした
『意味分かってる?』
「俺を何歳だと思ってんだよ‥‥‥。
文芸の大学助教授だぞ。」
『‥‥‥‥なんでそうしたいの?』
「‥‥そうだな‥‥‥なんでか‥‥
もうお前が帰ってくる場所を
ここにしたいからかもな。
それじゃ不満か?」
『不満、大不満!』
「ククッ‥‥だろうな‥‥。
まぁ‥‥‥お前に言う最初で最後の
我儘みたいなもんだからな。
ロマンチストじゃなくて悪いな‥」
元々口下手でそれに加えて口も悪い
指輪の一つでも買って高級レストランで
プロポーズするのがいいのは分かって
るけど、柄じゃないしな‥‥
『‥‥‥いいよ。』
えっ?
『あたしの不味いカレーを
歳とっても食べてくれるならね。』
「‥‥‥食うから他の誰にも食べさせ
るんじゃねぇぞ?‥‥フッ‥‥
ハハッ‥‥俺‥‥お前しか無理だわ」
『‥‥知ってる‥‥‥んっ‥ん』
寝るつもりだったのに、また抱きたく
なったヒカリの服の裾から手を滑り
こませながら深いキスを落とす
世の中が知ってるコイツのピアニスト
としての顔を俺は知らないけど、
この顔を知ってるのは俺だけでいい‥‥
この先もずっと‥‥‥
『櫂ッ‥‥‥』
「なんだよ‥‥フッ‥‥泣いてんの?」
目尻から流れる涙に舌を這わせると、
不器用過ぎるお互いに笑いが込みあがる
今までで1番優しく丁寧にヒカリを
朝まで抱いたあと、カレーの匂いに
目が覚め、幸せにまた笑みが溢れた
朝からカレーかよ‥‥。
タンクトップ姿でいつもいるのに、
俺の服を着たままで台所に立つ
金髪な彼女を壁にもたれたまま
見つめる
そんな日々でいい‥‥‥。
『おはよう‥‥櫂。』
「フッ‥おはよう‥‥俺、大盛りな?」
END



