恋愛日和    after story omnibus

『これはシーグラスだよ。元は瓶やガラスなんだけど、長い年月をかけて石や
波や砂浜で角が取れてくんだ。』


「シーグラス‥‥すごく綺麗‥‥」


『クス‥これも持ち帰り禁止だから、
 気に入ったなら買えるよ。
 帰りにお土産屋さんに見に行こう。』


色々規則があるけれど、ここに来た時しか見られない特別感もあって素敵だな


手を繋いで散歩したり、2人で海に
入ったりしながら過ごし、夕方は
キッチンでせっかくなので沖縄らしい
食事を作ることにした。


パソコンで作業をしている隼人君は
集中しているため、何が食べたいか
聞けなかったけど、味付けを見ながら
なんとか料理を進めていく


ジーマミー豆腐や海ぶどうなど
初めて見る食材は食べ方をネットで調べ、ゴーヤチャンプルに素麺を足して
ソーメンチャンプルにしてみた。


明日はソーキそばとアーサで天麩羅に
しようかな‥‥。


沖縄料理が小説の資料になると
嬉しいし、お店の味には敵わないけど
仕事が忙しい隼人君だからこそ、
何か力になりたい。


『ごちそうさまでした。
 全部美味しかったよ。』


「良かった‥‥。」


好きな人に喜んでもらえるのが1番
嬉しいけど、誰かの為に自分の時間を
さいてでも何かをしたいと思える
ようにいつの間にかなっていることが
1番嬉しかった


『ねぇ、日和、プールに入らない?
 夜だから日焼けも気にしなくて
 いいし、どう?水着あるでしょ?』


ドクン


うーんと伸びをした隼人君が
色気たっぷりの顔と上目遣いで
片付けをしている私を見上げる


海は日焼けするから泳がないと
言ったけど、正直水着は綾に選んで
貰っていたから一応持っては来ていた


「恥ずかしいよ‥‥」


『俺しか見てないよ。』


隼人君だから恥ずかしいんだよ。
まだ両思いになって1年だし、
素肌を見せるのも見るのも未だに
ドキドキしてしまう


2つしか歳だって変わらないのに、
隼人君大人っぽいんだもん‥‥


相変わらず成長しない胸とメリハリ
のない身体を曝け出すのは、そういうことする時だってまだ恥ずかしい


『日和、ね?せっかくだから入ろう?』


「‥うぅ‥‥分かったよ。」


後片付けをした後、クローゼットから
取り出した水着に渋々着替えると、
上からパーカーを羽織りプールサイドで
待つ隼人くんの元へと向かった