そんなことを考えていると、左頬にシンさんの右手がそっと触れて、三度目の問い掛けが発せられた。 「ハルと何があった?」 先程の問いと似ているが、明らかに違う。 その断定的な問い掛けに、あたしは隠しきれないと悟った。 「……ハルに好きって言われて、キスされ」 ――そうになった。 そう言おうと思った。 しかし、あたしの唇がそう紡ぐ前に何かで塞がれて、言うことが出来なかった。