「……シンさん?」 「おお、おはよう」 「……何、その格好?」 訝し気な表情であたしは問う。 「何って、コックさん」 シンさんは自分の来ているコック着を親指で指差しながら言った。 「シンさんってキッチンもできるの!?」 「おまえなぁ……、一番最初にホールとキッチン両方やるって言っただろ」 そう言えば、そんなこと言ってたかも。 あたしは瞳を見開きながら、両頬を手で覆いながら考えた。