シンさんに送ってもらって家に帰り着いたあたしは、玄関のドアを開けてドキッとした。
見慣れた男物の靴があるんだ。
白と青のスニーカー。
いつもハルが履いているスニーカーだ。
花火を見ていて忘れかけていたハルとのやり取りを思い出し、あたしの心臓はざわつきだした。
自分の部屋に向かうため階段を上る足がやけに重い。
自分の部屋に入ることにこんなに緊張するなんて――……。
部屋の前まで来たはいいが、なかなか中に入る決心がつかずに立ち尽くしていると、部屋のドアが急にガチャッと開いた。
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