「おまえなぁ〜傷つくんだけど。普通彼氏の横に座んないか?」


シンさんは自分の左隣の座席をぽんぽん叩いて、来いと促したが、あたしは小さく顔を横に振った。



彼氏と言っても好きで付き合っているわけじゃない。


男が怖いあたしが男の横になんて座れるわけがなかった。



シンさんが何か言おうと再び口を開きかけたが、母の大きな声に敢なく邪魔されたようだった。


「まぁまぁまぁ!唯なんかと付き合ってくれてるんですか!?」



……母よ。


いつもより1オクターブ上がった声にキラキラ輝かした瞳が、正直少しキモいです。