突然距離を縮めてきたシンさんがあたしの右耳に囁いた。 あたしは驚きで瞳を大きく見開いていたと思う。 シンさんはそんなあたしに最終宣告を告げた。 「夏の間だけ俺がおまえの彼氏だ」 彼氏? 誰が? 誰の? 頭の中が臨界点を突破したあたしは、再び意識を飛ばした――……。