「で、何考え込んでたの?」 美佐が探るような瞳で尋ねてきた。 ―――何を考えていたのだろうか。 自分の考えていたことをどう表現したらいいのか、よくわからない。 返事をしないあたしに、美佐はさらに問い掛けた。 「胡蝶での生活が楽しくて、今は寂しい?」 ―――寂しいのだろうか? このモヤモヤは寂しさ? 確かに胡蝶は居心地がよかった。