テーブルに視線をやると、とてもおいしそうなたくさんの料理が並んでいた。


でも、不思議と大好きなはずの料理を見ても、シンさんの家で朝食を食べた時のような幸せな気持ちにはなれなかった。




あたしの心を覆うのは、ぽっかりと穴が開いたような虚無感のみだった。






あたしは笑顔の店長に誘導されて、いわゆるお誕生日席ってヤツにストンと座った。


向かって右、テーブルのあたし側の端、つまり一番あたしに近い席にシンさんが座っていて、ドキッとする。







それから、店長の音頭を合図に、あたしの送別会が始まった。