不意にあたしは腕を引っ張られて、温かい腕に包まれた。


そこからは嗅ぎ慣れた匂いがする。


ハルの、多分シャンプーの匂い。


あたしはこの匂いを嗅ぐととても落ち着く。



「もう大丈夫だから。落ち着いて」



ハルがまるで子供をあやすように背中をポンポンしてくれて、あたしは急速に意識が遠ざかっていった――……。