それからはすれ違う度にあたしに向けてくる絡み付くようなネットリとした視線が嫌で、出来るだけ時間をずらしてすれ違わないようにした。



そうこうするうちに、その男が引越しでもしたのか、全く会わないようになっていた。






話し終わり、部屋の中は痛いくらいの静寂に包まれていた。



「……つまり、その男がこのストーカー男だと?」


「……多分。最後にすれ違った時に、いずれセカンドキスももらいに来るからって言われたの」


あたしは俯き、唇を噛み締めるようにして声を吐き出した。