それと同時に、先程まで震えていたことに、初めて気付いた。



もしかして、シンさんはあたしの気持ちを軽くするために、わざと笑った――?



このひと夏で知り得たシンさんの優しさからすると、それもあながち真実かもしれない。



「少し長くなるけど、聞いて……?」


いつの間にか開放されていた手で、今度はあたしがシンさんのシャツを掴むようにして言った。


そんなあたしの手を取ると、シンさんは何も言わずにあたしの横に腰掛けた。


それをずっと目で追っていたあたしは、話し出した。