類Side
バタン、玄関のドアが閉まる。
「はぁ…」
こんな雨の中でも帰りたいくらい
この家にいたくなかったのだろうか。
彼女を囲む賑やかな声を思い出す。
確かに面白い話も、見せられる特技もない。
近づけたと思うと、遠ざかっていってしまう。
やっぱり俺じゃダメなのかな。
柄にもなくへこたれた日曜日、
学生時代の友達と飲みに行くことにした。
「類が来るなんて珍しいね」
「ちょっと酒飲みたかった」
「なんかあった?」
「……お前には言ってもいいか。
なあ、これ見てどう思う?」
公園に行った時の写真を見せる。
「何これ、楽しそうじゃん」
「そうじゃなくて、この子どう思う?」
「可愛い子だね」
「見た目の話じゃなくてさ…」
「なんか意外だな。類ちょっと変だから
万人受けの子選ばないと思ってた」
「万人受けの子?」
「明るいし、笑顔キラキラしてて、
なんかモテそうじゃん」
「確かに、モテそうだな」
誰が見ても世界が違うことは分かっているのに
彼女があんなに楽しそうに笑いかけるから、
いつの間にか境界線があいまいに見えていた。
「自信ない感じか」
「うん。昨日もさ―――」
