夢の向こうにキミがいる



ハンカチを洗面台に忘れたことに気づき、慌てて引き返した美里が再び外に出た時、目の前をパレードが横切った。



オモチャ箱から飛び出したような音楽隊、可愛い着ぐるみのパフォーマンスに、通りを行き交う人々は皆一様に立ち止まって見入っている。



しかし、美里の目は一番後ろをヒラリヒラリ飛ぶようについて行く、どこか物悲し気なピエロに釘付けになっていた。



ピエロがどこからともなく取り出したシルクハットから花やボールが飛び出す度、観客からワーッと歓声が上がる。



やがて拍手喝采で演技を終え、七色の風船を一本ずつ子供達に手渡しているピエロが、おもむろに振り返った。



オルゴールの調べに合わせ、踊るようにこちらへやってきたピエロは、美里に向かって丁寧なお辞儀をし、赤い風船を差し出した。