簡単な食事を園内のカフェテラスで済ませた後、化粧室で口紅をひき直している美里に梨花子が声をかけた。
「疲れちゃった?元気ないみたいだけど」
好奇心の赴くまま、はしゃいでいるように見えた梨花子は、ちゃんと周りに気配りのできる人だった。
15歳のパツキンギャルとも、それなりに合わせていける。
美里にはとうてい真似のできない技だ。
「ごめんなさい。そんなんじゃないんだけど…
ほら、夜の遊園地って初めてで、カップルばっかだし…
ちょっとあてられちゃったのかも」
「あたし達だってカップルじゃん。え?そうじゃないの?」
「あ、いや、そういう意味じゃなくて…」
鏡に映った梨花子が、
『ほんとに彼のこと好きなの?』
そう問いかけているようで、ドキリとした。
