今度はこちらが「じゃ」と、笑顔で身を翻す番だ。
そうだ。
それが一番かっこいい。
正義の味方は見返りなんて望んじゃいけないんだ。
その時、恋の女神が囁いた。
『本当にそれでいいの?
カッコつけたって、これで終わったら、もう二度と会えないかもしれないのよ。
このまま一生、ずっと、彼女の名前も知ることもなく…』
胸の中に燻し続けた熱いものが、喉元まで込み上げてきた。
「あの、名前を…」
しかし、次いで出てきた言葉に一番驚いたのは賢自身だった。
「あの…いや、俺と、俺とつき合ってもらえませんか?!」
メニュー