夢の向こうにキミがいる



あれからちょうど一ヶ月―



今日はプロテストの最終選考日。



そろそろ最後の審判があなたに降りるはず。



スープの素を鍋に加え、火を強め、沸騰直前に弱火にする。



あくを丁寧にすくい取り、ブーケガルニとニンニクのみじん切りを加え、二時間くらいコトコト煮る。



それをそばで、ただただじっと見つめている。



ねぇ、井ノ原くん…



あなたの遠い目が何を見ていたか、最近、少しだけわかってきたような気がするの。



肉に竹串を刺すと、トロッと煮崩れるくらいの柔らかさ。



水気を切ったジャガイモとニンジンをさっと炒め、鍋に加えて煮込む。



野菜が充分に柔らかくなるまで後一時間。



ザックザックザック…



夕日が空をオレンジ色に染める頃、あなたのスパイクの足音が聴こえるはず。



井ノ原くん。



もうどこへも行かないでね。