「ラブだよ。ラブ。どうやらこいつ、好きな女ができたらしいな」
「冗談もたいがいにせーよ。まさか、こいつに限って…そんなアホな…なぁ」
そう言って、賢の肩を思い切りバンと叩いた時、クライマックスを迎えたドラマから、甘く切ない主題歌が流れ始めた。
それを見つめる賢の目が涙で潤んでいる。
「おい…あ…」
ハルさんは一瞬、声を詰まらせたが、やがて修司と顔を見合わせると、どちらからともなく笑い声を洩らした。
「…ひ、ひひっ!け、賢が、恋~!?うっ、ぐ、ぐるしい~」
「ハルさん、そんな風に笑っちゃ失礼…ぷっ、はははっ…」
しまいにはのた打ち回り、涙を流して笑い転げる二人を一瞥した賢は、さりとて特に気分を害するでもなく、座卓の上にそっと左頬をつけ、大きなため息を一つ落とした。
