「美里さんが訪ねてくることがあったら渡してくれって。
W大の教授から南米留学の話があるってことは聞いてたんやけど…何か今朝、急に慌てて出て行きましたわ。
取り敢えず、四国の実家に帰って準備せな、国際昆虫学会とかに間に合わんとかなんとか。
あいつ、えらい急いでたから詳しい話は聞いてないんやけど…まさか、美里さんがこんなすぐに訪ねてきはるなんて…
いやぁ、ほんま、驚きましたわ」
何を言ってるのか、美里にはよくわからなかった。
「…南米?…国際、昆虫学会?それっていったい、どういうことなんですか?」
美里に詰め寄られ、ハルさんは困ったように後頭部をかいた。
