夢の向こうにキミがいる



あ、亜弓ちゃんだ!



亜弓ちゃんに会うために小学校まで行って、それから、研究室へ行ったんだ。



わたし、亜弓ちゃんに会わなくちゃいけないんだ。



美里はドタバタと階段を駆け降りると、慌てて家を飛び出した。



風は昨日ほど強くなかったが、夜半に降った雨のせいか、冬への加速度が一気に増した。



凍りつくように冷たい外気に触れ、美里の脳はようやく正常に動き出した。



亜弓の居場所を聞く前に、今日こそ今までうやむやにしてきた本当の気持を賢にぶつけてみよう。



例え、彼を傷つけることになっても。



それで二人の関係が完全に終わってしまうことになっても…



もうこれ以上、嘘を重ねてはいけない。



賢ちゃん…



ふと昨日の賢に想いを馳せる時、何かが引っかかるような気がした。



何かが腑に落ちない。



その何かが、とても大切なことと関わっているような気がする。