賢のアパートに二人連れの男がやってきた。



「お~い、今度の日曜、グランド取ったどぉ!」



首に巻いたタオルで大粒の汗を拭いながら、ドタドタ部屋へ上がってきたのは階下の住人、倉田晴男(クラタ ハルオ)、通称ハルさん。



大学では柔道部に席を置いてはいるが、部員がたったの三人だというのだから話にならない。



当世の風潮を嘆きつつ、柔に託せない熱い思いを草野球と麻雀で晴らす日々だ。



「…ああ」



そろそろ日も暮れようというのに、賢はまだ寝癖のついたまんまの頭にパジャマがわりのジャージ姿。



冬にはコタツに変わる座卓の上に頬杖をつき、テレビのブラウン管をボーッと眺めている。