野球もそう。
親父の会社が倒産したって、本当にやりたいのならなんとか続けられたはずだ。
俺はそれを親父のせいにして…結局は逃げ出した。
金沢での一時の栄光が強豪揃いの大阪で通じるのか。
通じないとわかった時、俺の唯一の存在価値はなくなってしまう。
それが怖かった。
おまえのこともそうだ。
温かい家庭でぬくぬくと育ったおまえに反発を感じながらも、おまえの純粋さや明るさ、強さに、どうしようもなく惹かれていく自分が怖かった。
だから、そんなおまえに俺はふさわしくないんだと、格好つけて逃げ出したんだ」
理解に苦しんだ彼の言動の一つ一つが一本の線に繋がり、ストンと美里の胸に落ちた。
