愛してる。愛してる。愛してる…
そう、わたしだって愛してる。
身も心も、どうしようもなくあなたを求めてる。
でも、もう…
ふいに込み上げる涙を隠すよう、窓の外へ視線を投げた。
泣いちゃいけない。
今ここで泣いたら、すべてを投げ出して、井ノ原くんにすがりついてしまう。
美里は勇介から顔を背けたまま、窓越しに見えるケヤキの枝振りを見つめている。
勇介はしばらく黙って美里を見つめていたが、何かを吹っ切るように短く息を吐き、言葉を続けた。
「もう、瑛子にすがる気持にはなれなかった。
そうやって自分をごまかして生きてるのが嫌になった。
仮面を外して、もう一度地獄を見てやろうと思った」
「どこかへ行ってたの?」
平然と話しかけたつもりだったが、声が震えた。
