その仮面が揺らぎ出したのは、ここで会うはずもないおまえに会ってからだ。
夜毎に昔の記憶が呼び覚まされる。
気がついたら、遊園地や金沢まで出かけてしまったり、他の女なら笑って聞き流せることでムキになって怒ったり。
抑えていた感情が一気に溢れ出して…
挙句の果てが、あのザマだ」
勇介は顎に押し当てていた手を額まで持ち上げ、深く重々しいため息をついた。
「あの日、あの店でおまえと賢に会った日。
おまえの輝いてた笑顔を見た時。
そして、俺を見たおまえの顔から、その幸せそうな笑顔が消えた瞬間。
仮面が音を立ててバラバラに砕け散ったような気がした。
その時、ようやくわかったんだ。
真中……俺は、おまえを、愛してるんだと…」
うつ向いた美里のからだが小刻みに震え出した。
ドクンドクンと甘い疼きが全身を駆け巡り、からだの中心へと落ちてゆく。
