夢の向こうにキミがいる



俺は救われた。

地獄のような苦しみから逃れることができたんだ。

あの狸爺だって金蔓だと思えば何てこたぁない。

高校を卒業してもタチの悪い連中とプラプラしている俺がよっぽど目障りだったんだろう。

『東京に行ってみたくはないか』

そう、目一杯の偽善面で持ち出しやがった。

大学に行くんなら金を出してやってもいいんだよって。

せいぜい感謝するふりして受験勉強もやったさ。

あいつの世間体や虚栄心を充分満たしてやるくらいにはね。

感情を封印する術を覚えたら、生きていくのがラクになった。

俺はラクな方へラクなな方へと流されていった。

仮面の裏に募る虚しさは…いつも瑛子が吸い取ってくれた…