夢の向こうにキミがいる



唯一のカップルだからと気をきかせてくれたのか、二人は磨りガラスのブースで仕切られた奥まった席へと通された。



話があると強引に連れ出したのは勇介の方なのに、なかなか自分から口を開こうとしない。



注文したコーヒーに手も付けず、テーブルに両肘をつき、指を組み、そこに尖った顎を押し当てて黙っている。



美里はなんとか動揺を抑えようと、ミルクティーのスプーンをひたすらかき回している。



やがて、グラスの水を一気に飲み干した勢いを借り、勇介が重い口を開いた。



「賢とは…あれから」



「会ってないわ…」



勇介の眉間に縦皺が刻まれた。



「そっか…そうだよな。俺があんなバカなこと言っちまったからな。悪かった…ごめん」



どんな言い訳にも耳を貸さないつもりだったが、そう素直に謝られると返す言葉に詰まった。