太陽に背を向け、歩くこと十分。
やがて、左手にアカツキ荘の看板が見えてくる。
と、その時、ジーンズの腰の辺りがブルブルッと振動した。
『勇介?俺、俺、修司』
『…えっ、合コン?』
修司と待ち合わせた店は、オフィス街の一角にある隠れ家的なダイニングバーだった。
雑居ビルの地下に続く階段を降り、赤い木の扉を開けると、そこに広がるのは西洋と東洋、アンティークとモダンなど相反するものが渾然一体となった不思議な空間。
壁と床の境にびっしりと埋め込まれた黄緑色のライトが足元を煌々と照らし出す。
勇介は思わず目を背けた。
スニーカーの先がペロリと剥がれていたのだ。
太陽の下では違和感のなかった履き潰したスニーカーが、人工的な照明の中ではひどく薄汚れて見えた。
