もちろん、彼女の原石のような美しさを見出したのは自分だという自負もあった。
都会で荒むことなく、凜とした美しさに一層磨きがかかっていたことは秘かな喜びでもあった。
懐かしい町並や祭の雰囲気、浴衣姿にやられたのも事実だ。
だが、ただそれだけのこと。
幾つもの偶然が、たまたま重なっただけのことだ。
相手が真中美里でなければならない必然性などない。
それなのに、どうしてあいつにはあんなにムキになって大人気ない態度を取ってしまったのか。
じらされた上に拒否られた苛立ちなのか。
わけの解らないモヤモヤは夜毎にひどくなるばかりだ。
