夜店の群れから抜け出し、人と光の波が途切れた神社の片隅で、勇介はようやく美里の腕を解いた。
どうして、ここにいるの?
どうして、わたしを捜してたの?
どうして…どうしてあの時、何も言わないで転校しちゃったの?
勇介には聞きたいことが山ほどあった。
どうして…
今、言わなければ、もう二度と聞く機会はない。
美里は勇介に詰め寄った。
「どうして?!」
勇介が放った答えはたった一言だった。
「会いたくて…」
「………」
「どうしても会いたくて…気がついたらここまで来てた」
会いたくて―
美里はその一言を噛みしめた。
その言葉の前では、美里の疑問はすべて愚問でしかなかった。
もしかしたら、今、この言葉を聞くために生まれてきたのかもしれないと思うくらい、心が満たされていた。
