「あはははっ。笑っちゃうよね。たかが中学生の初恋話だっちゅうにさ」
「もしかして…ずっと井ノ原くんのことを?」
美里は頭を振った。
「そんな美しい話じゃないの。
本当に好きだったら、大阪の大学選んでも追いかけてたはず。
でも、大切な想い出が壊れてしまうのが怖くて、それもできなかった。
そのくせ、本当に結ばれる運命だったら、いつかどこかでめぐり逢うんじゃないか…みたいな。
自分からは何もことを起こせないくせに図々しいよね。
でも、それが現実に起きてしまって…多分、舞い上がってるだけなんだと思う。
それに、井ノ原くん、あの頃でも随分皆より大人っぽく見えたけど、もっと本当の大人の男の人になってて…
それは、もう、ドキドキするくらい。でも…」
