「市川‥ってあぁ!美音ちゃんすか?」


プリントを止めて俺の方を向いた。


「そんな感じ。」


あいつ美音ちゃんって呼ばれてるし。


高校生になってまでちゃんか。


あいつらしいかもな。


伸行は続けた。


「知り合いなんすか?」


「あぁ‥‥まあ。親戚みたいな感じ。」


さすがに同居人だとは言えるわけもなく嘘をついた。


「えぇ!そうだったんすか。美音ちゃん可愛いっすよね!何気にモテてるみたいで。クラス違うから俺はよく分かんないけど。」


「へぇ。」


あいつやっぱりモテてるんじゃねぇか。


しかも無自覚ってやつか。


ふーん。


別に関係ないはずなのに、妙にあいつのことが気になる。


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