『うわっ‥‥遊びに行くの。』
この人はなんでこんなにいきなり出てくるのよ。
びっくりしちゃうじゃん。
「へえ。彼氏?」
湊も着替えて、出掛けるような格好をしてる。
『友達。残念ながら彼氏なんて居ません。』
私の悩んでるところを突いてきた。
私は生まれてこの方、彼氏という人が一人も居ない。
「ふーん。俺もこれからバイトで出掛けるから、鍵忘れんなよ。持ってでないと入れないから。」
彼氏、については、どうでも良い感じで湊は言った。
『バイト?』
湊バイトしてるんだ?
「高校生の家庭教師のバイト。てか、あんた昨日戸締まり忘れただろ。」
『家庭教師ー?!』
家庭教師?!
この人が?
確かに頭は良いみたいだけど、家庭教師をやってるとは。
しかも高校生の。
「それより戸締まり。ちゃんとしなきゃ危ないだろ。」
私の頭をペシッと叩く。
ドキッ
.