あと数センチで、唇が重なるところで湊は動きを止めた。
「静かに出来るなら最初からしてよ。」
そう言って再び目を閉じて、ソファーに体を戻した。
は?!
いきなり訳の分からないことしておいて、何様のつもりよ!
さっき不覚にもドキドキしてしまったことに、後悔する。
イライラが湧き上がってくる。
「いつまで乗ってるつもり。これじゃ寝れないし。」
『あっ、あなたがいきなり引っ張るから!』
こうなったんでしょ。
と言いたかったけど、この人に何を言っても伝わらない気がして、諦めて何も言わずに、自分の部屋に戻った。
なんなのあいつ!!
最低!!
私は、とんでもない人と一緒に暮らすことになってしまった‥‥。
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