いきなりあたしの体が浮いた。
「ちょっと?!」
「足、痛いんだろ?」
今のあたしは優一に俗に言うお姫様だっこされている。
いや…足痛いけど…恥ずかしいよ。
下校時間のピークは過ぎているので人はいない。
夕日が廊下をオレンジ色に染めている。
「先生いないじゃん!」
保健室のドアを開けてくれた松堂が言った。
「俺がしてやるよ。」
優一はあたしを椅子に座らせた。
勝手に棚から湿布と包帯を出した。あたしの足に湿布を貼り、包帯で固定した。
「立ってみろ。」
「痛くない…優一ありがと。」
「ん。さてと、帰るか?」
しゃがんでいた優一は立ち上がりながら言った。そのまま、なぜか4人で帰ることになった。
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