キミの隣は特別席

マナside


部室調査のため絢と見学の女の子を連れて生徒会室を出た。


部室棟に向かうための渡り廊下を歩いていると

「あの!一つ聞いてもいいですか?」

見学の女の子に尋ねられた。

「いいよ。何?」

「春沢会長に彼女はいますか?」

はぁ!?なんで今そんなこと聞くの?
てか、優一の彼女はこのあたしだよ!!

「もしかして佐原先輩が会長の!?」

何勝手に話してるの!?

「それはないよ。あたし心に決めた人いるから。それに…会長には素敵な恋人がいるの。もし会長のことが好きなら諦めなさい。」

やんわりと絢が教えるように言う。

絢…誰もいなかったら抱きしめてそう…

「はい…でも彼女って誰なんですか?」

絢はふふと笑い

「ここにいるよ」

とあたしを見ながら言った。
その視線を追う女の子たち。

「ええぇっ!?そうなんですか?」

「ごめんなさい!彼女とも知らないでこんなこと聞いてしまって!」

勢いよく頭を下げる女の子。

「いいの。早く行こうか?」







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