ポーカーフェイス……ポーカーフェイスっと。
どのタイミングで頭上げればいいんだっけ?
なんて呑気に考えていると目の前に影ができた気がして咄嗟に頭を上げてしまった。
すると、いつの間にか夜神旭飛がわたしの目の前に立っていた。
え、なにこれ? これはどういう状況?
「お前……見ない顔だな」
微笑みなんて一切ない表情に、氷のように冷たい瞳。
心臓がどきり、と大きく跳ね上がる。
まさかスパイってバレてる……?
いや、そんな一瞬で見抜かれるわけが無い。
だってわたしまだ何もしてないし。
顔に出してはいけない。
裏社会で生きるものは怯えてはいけない。
怯えてしまえば、あちらの思うツボ。
そう、王雅が言っていたことを思い出した。



