麗しき月は愛に染まる




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「月」


 わたしの名前を呼ぶその声には温度なんてない。


 今日、旭飛に呼ばれた声とはまるで違う。

 って、違うくて当たり前か。


 旭飛みたいに優しく呼んでもらえるほうがレアだもん。



「なにー?」



 わたしが布団から身を起こしながらそう返事をすると声の主はどこかへ行くのか脱ぎ散らかした服の中から自分のTシャツを拾い上げた。



「雷鳴会の情報、何か仕入れた?」


「あのね、毎日のようにそれ聞いてくるけどそんなすぐに手に入れられるわけないでしょ?」


「まあ、わかってるけど」



 わかってるなら聞いてこないでよ。


 なんて言葉はそっと飲み込んだ。