目で人を殺す、というのはきっとこういうことを言うんだろうなって思うくらい。
だけど、わたしはここで命乞いをすることはしない。
「殺したいならどうぞ殺してください」
わたしは顔色を変えず、彼の目を真っ直ぐに見つめて言った。
どうせ、火門会に帰って正体がバレたことを知られたら命なんてどうなるかわからない。
それならどこで殺されたって一緒だもん。
わたしは生きているんじゃない。
ただ生かされているだけ。
わたしの人生なんて、もうとっくの昔に終わっている。
「はは、ずいぶん強気な女だな」
夜神さんが近づいてきてわたしの顎を掬い上げた。
にやり、と上がった口角すら色っぽくて今度は心臓が甘い音を奏でる。



