そう、別にバイト先をクビになったってわたしの人生は同じ。
殴られても、抱きつぶされても、現状は変わらない。
どこかに売り飛ばされようがされまいが、わたしは一生奴隷のような生活をしなきゃいけないんだから。
そう思ったら、バイト先をクビになることへの恐怖や焦りが急激に消えていった。
「お前は今日で……」
「そうですか。わかりました。今までありがとうございました」
彼がまだ話しているというのにわたしはそれを遮るように言葉を発し、頭を下げて部屋を出ようとした。
「待て。お前、年齢を偽ってまで誰の指示でここに来たんだ」
だけど、彼のその言葉でわたしは動きを止めた。
「……っ」
喉がひゅ、と鳴る。
なんで、年齢を偽ってることまで知ってるの……?
だけど、すぐに気持ちを落ち着かせてわたしは小さく息を吐いて口を開いた。



