「すみません。次回から気を付けます」
見えないだろうと油断していたから絆創膏も貼ってこなかった。
学校でも見られてた様子なんてなかったし。
「次があるなんてって言ってない」
「え……」
その瞬間、頭が真っ白になる。
わたしの考えは甘すぎたことを痛感した。
相手は雷鳴会の夜神旭飛だ。
何が起こっても不思議ではないはずなのに。
火門会の人たちにバイト先をクビになったなんて言ったら何をされるかわからない。
まだ、何も情報を盗めていないのに。
盗むつもりもなかったけど、ほんの小さな情報でも手に入れられていたならまだよかったのかもしれない。
心の中にフツフツと湧き上がってくる焦り。
でも……別にいいか。
わたしの中の誰かがそういった気がした。



