ストーカー〜忍び寄る影〜



――と、男の手があたしの頬に触れた。


正確には、頬を伝ったあたしの涙を男の指が拭い去った。


……えっ、なんで?

そう口にしたかったけど、あたしは驚きと混乱する頭で言葉にならなかった。


今からあたしを襲おうとしている男が、どうして?

どうして、そんなことするの?


目の前の男の考えていることが分からない。


緊張と不安とで、あたしの呼吸は乱れていた。

肩で息をするほどに。